スウェーデン滞在中に、Netflixでジブリ映画『魔女の宅急便』(英語タイトル:Kiki’s Delivery Service)を日本語音声、英語字幕で鑑賞してみました。
現在Netflix では日本、アメリカ、カナダを除く190の国でジブリ映画を観ることができます。
ただ、英語音声・英語字幕にするとセリフが一致していません。
英語音声は、日本語音声よりもセリフが多く追加されたり、変更されています。
(英語音声にすると、ユーミンの歌も聞けません。あと、ジジの声がおっさんみたいです。)
英語字幕ではシンプルな英語が使われ、日本語音声とも意味が一致しているので、今回は日本語音声・英語字幕で視聴してみました。
英語音声と日本語字幕を一致させて観たい場合は、北米版のディスクで観ることができるようです。
※輸入版DVDは日本国内用のDVDで再生できない可能性があるので注意が必要です。購入の際はリージョンコードをご確認ください。
もくじ
ジブリ映画『魔女の宅急便』英語版のセリフから英語の勉強をしよう!
『魔女の宅急便』の英語タイトルは “Kiki’s Delivery Service” です。
“delivery service” が「宅急便」「宅配サービス」の意味です。
それでは早速Netflixで鑑賞した『魔女の宅急便』からの英語字幕のセリフを見ていきましょう。
『魔女の宅急便』(Netflix)からの英語字幕のセリフ
・My mind’s made up
キキのセリフ
Mom, my mind’s made up. It’s tonight.
(私、決めたの、今夜にするわね!)
“make up one’s mind” で「決める」「決心する」のイディオムです。
“decide” も「決心する」の意味ですが、それよりもカジュアルな口語的表現で、日常会話でよく使われます。
(決めました。)
Make up your mind!
(早く決めて!)
キキのセリフは “I made up my mind” の受け身形で “My mind’s made up” となっています。
もう気持ちを変えることはなく、決心が固いことを表しています。
・used to~
ジジのセリフ
Crows used to be witches servants.
(カラスはかつては魔女の召し使いだったのに。)
キキのセリフ
If it burns firewood, I can help.
(薪のオーブンなら私もお手伝いできます。)
I used to help my mom all the time.
(田舎で母に仕込まれました。)
『魔女の宅急便』の英語字幕では他にも “used to~” がよく使われていました。
“used to~” は「今は違うけど、過去は~だった」、「かつては~だった」と言いたい時に使える便利な表現です。
ちなみに “be used to~” は「~に慣れている」で、違う意味になります。
例えば、キキのセリフを “be used to~” に変えてみると
(いつも母の手伝いをすることに慣れています。)
となり、今も手伝いをしているようなニュアンスになります。
・be supposed to~
キキのセリフ
I’m a new witch, sir.
We’re supposed to fly around.
(でも、私は魔女です。魔女は飛ぶものです。)
警官のセリフ
You’re supposed to obey the law the same as other people.
(魔女でも交通規則は守らないといかん。)
“be supposed to~” は、キキのセリフのように、一般的な常識や情報として「~するものだ」と言いたい時に使える表現です。
警官のセリフでは、法律や規則に従っていない人に対して、「~しなければならない」「~するはず」の意味として使われています。
(ここでは靴を脱がないといけないはずです。)
他の状況では、何か期待しているような予定や出来事がある時に「~することになっている」の意味としても使います。
(今日、彼の両親と会うことになっています。)
過去形にすると、実際に期待していた予定や出来事が起こらなかったことになります。
(今日、彼の両親と会う予定だったのに)
・I suppose~
ウルスラのセリフ(森の中の小屋に住む少女)
I suppose it must be a power given by God.
(神様がくれた力なんだろうな)
一方、“I suppose~” となると、”think” よりも確信の低い「多分~だと思う」の意味となります。
前回「~と思う」の英語についての記事を書いているので、そちらも参考にしてみてください。
・I wish ~
おソノさんのセリフ
I wish I could fly.
(私も飛べたらねぇ。)
トンボのセリフ
I wish I was born into a witch family.
(僕も魔女の家に生まれたかったなぁ。)
“I wish ~” では、「(実際は難しいけど)~だったらいいのになぁ。」と言いたい時に使えます。
実現の可能性が低い時の願望に使われる表現です。
“wish” の後にくるbe動詞は、基本的に ”were” でしたが、最近は ”was” も使われています。
”I wish~” の後の形は【現在・過去・未来】の、いつのことを話しているかによって変わります。
おソノさんとトンボのセリフは、現在の願望です。
【現在】の話をする時
”I wish 主語+過去形”
((今)お金持ちだったらよかったのになぁ。)
【過去】の話をする時
”I wish 主語+had+過去分詞”
“I wish 主語+could have+過去分詞”
( もっと勉強していたらよかったのになぁ。)
(タバコをやめられたらよかったのになぁ。)
【未来】の話をする時
”I wish 主語+could+現在形”
(明日そこに行けたらいいのになぁ。)
・Why don’t we~
ジジのセリフ
Why don’t we grab a bite to eat?
I’m famished.
(何か食べようよ。
僕、おなかへっちゃった)
※grab a bite to eat:軽く食べる、さっと(素早く)食事をする
※famished:腹ペコで、空腹で
“Why don’t we~?” は「~しようよ」「~しませんか?」の意味で、”Let’s~” と同じような勧誘表現として使えます。
ジジのセリフ、”Why don’t we grab a bite to eat?” は丸ごと覚えておきたい便利な表現ですね。
“we” を ”you” に変えて、“Why don’t you~?” にすると、「~してみたら?」という提案の表現となります。
(今日、掃除をしたら?)
カジュアルな口語的表現なので、目上の人には使わない方がいいでしょう。
『魔女の宅急便』の原作と英語翻訳
今回、この記事を書くにあたって、『魔女の宅急便』について少し調べていると、
2020年7月、角野栄子さんの原作『魔女の宅急便』の英語の翻訳本が新たに出版されていたことを知りました。
Amazonの試し読みで、途中まで読むことができます。
“Kiki’s Delivery Service” はネイティブの10歳以上を対象とした児童書です。
試しに読んでみると、とっても読みやすくておもしろかったので、思わずポチッとしてしまいました。
本では映画では知れなかったこと(魔女の世界のしきたりなど)も知ることができたり、また違う良さがあります。
ただ、スマートフォンでKindle本の洋書をダウンロードすると、下にスクロールして読むので、個人的には読みにくいと感じています。
Kindle専用端末では、紙の本と同じように横に進んで読んでいくので、読みにくいということはありません。
Kindle専用端末か、紙の本で読むのがおすすめです。
Kindle専用端末では、英語で読む時に役立つ機能も満載です。
“Kiki’s Delivery Service” は Amazon のオーディオブックサービス、Audibleにも対応しています。
英語のリスニングになるので、おすすめです。
角野栄子さんの原作『魔女の宅急便』はキキの13歳から35歳までを描いたストーリーで、大人も楽しめる物語です。1巻から6巻までで完結となっています。
最後に
いかがでしたでしょうか。
『魔女の宅急便』のように、自分の好きな作品で英語の勉強ができたら、モチベーションがあがるので学習も進みますよね。
何でも楽しくなければ続けることは難しいでしょう。
楽しく無理なく継続できることが、英語上達への近道となります。
がんばりましょう!