『クマのプーさん』と言えば、ディズニーのプーさんを思い浮かべる人も多いと思いますが、今回は1926年にイギリスで出版されたA.A.ミルンによる原作で、英語で書かれたプーさんの本のご紹介です。
プーさんの原作本を英語で読むために役立つ本の紹介もあるので、ぜひ最後までご覧ください。
『クマのプーさん』に癒されながら英語で読書をしてみましょう。
もくじ
『クマのプーさん』の英語の原作本を読んでみよう!
『クマのプーさん』って?
1926年にイギリスで出版されたアラン・アレクサンダー・ミルン(Alan Alexander Milne)による児童小説です。
英語タイトルは、”Winnie-the-Pooh” 。
ディズニー版では “Winnie the Pooh” とハイフンがなくなった形になっています。
ディズニー版の日本語タイトルは『くまのプーさん』、「クマ」の部分が平仮名です。
ディズニーに初めてプーさんが登場したのは1966年のことで、原作が出版されてから40年後のこと。作者のミルンが亡くなった後でもあります。
ディズニーのプーさんは世界中で大人気になりましたが、当時のイギリスではあまり人気にならなかったようです。
40年間イギリスの文化として読み継がれてきたプーが突然、顔が変わってアメリカ訛りの話し方になってしまえば、受け入れられないのも仕方ないかもしれませんね。
ただ、ディズニーによって、原作の “Winnie-the-Pooh” の物語が世界中に広まり、現在でも人気の本となっているということも事実です。
プーさんの本の挿絵
“Winnie-the-Pooh” の挿絵を担当したのは、アーネスト・ハワード・シェパード(Ernest Howard Shepard)という挿絵画家です。ミルンの書いた本、全ての挿絵を担当しています。
ミルンはシェパードにどのような挿絵にするか、大きさ、形、位置までとても細かく指示を出して出来上がっています。
実際にプーさんの挿絵の配置などは、とても工夫されています。
文章と挿絵が2つセットで、プーさんの本が完成となっているのです。
例えば、英文は左から右に読んでいきますよね。
本の中では、文字に対応して、挿絵の登場人物も左から右に動くように描かれます。
挿絵は物語の単なるおまけではなくて、物語の一部なのです。
ここでは、文字が登場人物のカンガの動きに合わせて動いています。
英語で書かれた『クマのプーさん』の原作本
A.A.ミルンによるオリジナルのプーさんの本は、“Winnie-the-Pooh”(日本語タイトル『くまのプーさん』)と、1928年に発表された “The House at Pooh Corner”(日本語タイトル『プー横丁にたった家』)の2冊だけです。
英語レベルの目安はTOEIC470点、英検準2級程度。ネイティブ対象年齢は9歳から12歳とされています。
子供用と言っても英語学習者向けに書かれているわけではないので、決して簡単な英語というわけではありません。
Winnie-the-Pooh(クマのプーさん)
クリストファー・ロビンが父親に、クマの話をするようお願いをして、プーさんと森の仲間たちの物語が始まります。
この本には10のエピソードが含まれています。
黄色い表紙が印象的な1冊。ずっと大切に持っていたいと思わせる本です。
プーさんの物語は、劇的な展開はなくて、特にたいしたことは起こりません。
ただ、ミルンによる詞的な文章とそれに合わせた挿絵は、何度も何度も読み返したくなる魅力があります。
英語の勉強だけでなく、心が疲れているときに、本棚からスッと取り出したくなる、そんな本です。
The House at Pooh Corner(プー横丁にたった家)
“Winnie-the-Pooh” の続編で、同じく10のエピソードが含まれています。
第1章では、プーさんとピグレットが、自分の家を持っていないイーオーのために家を建ててあげるというお話です。その家のある場所を2人は、”Pooh Corner” と名付けました。
第2章では、ティガーが登場します。
そしてとうとう最終章となる第10章は、クリストファー・ロビンとプーのお別れのお話しで、少し切なくなる物語です。
When We Were Very Young(ぼくたちがとてもちいさかったころ)
プーさんの本は2冊と書きましたが、プーさんの原点となる本があります。
“Winnie-the-Pooh” の前に発表された “When We Were Very Young” 『ぼくたちがとてもちいさかったころ』という本で、A.A.ミルンが子供向けに書いた詩集です。
この中にはプーさんに出てくる男の子「クリストファー・ロビン」に似た挿絵がたくさん出てきます。
プーさんに似たクマの絵も、ほんの少しあります。この詩集がイギリスで大変人気になり、その後に “Winnie-the-Pooh” が発表され、話題となりました。
当時は “When We Were Very Young” の売り上げには届かなかったそうです。
Now We Are Six(ぼくたちは6歳)
“Winnie the Pooh” の翌年、1927年に “Now We Are Six” 『ぼくたちは6歳』という詩集が発表されました。
この詩集が出版されると、2か月で “Winnie-the-Pooh” の売り上げを上回ってしまいました。
今では逆となっていますが、当時は詩集の方が人気が高かったようです。
“Now We Are Six” の挿絵にはプーさんによく似た絵はあるものの、直接プーさんについて書かれている詩集というわけではありません。
『くまのプーさん』を英語で読み直す
“Winnie-the-Pooh” を読む前に、ぜひ読んでほしい本があります。
NHK出版から出ている本で、タイトルは『「くまのプーさん」を英語で読み直す』という本です。
著者はイギリス人のドミニック・チータムという方で、2000年にはNHK『テレビ英会話』にも出演していたことのある英語講師です。
この本は言わば、プーの2冊の物語、”Winnie-the-Pooh” と “The House at Pooh Corner” を読むためのガイドブックのようなものです。
この本を読めば、プーの物語への理解度は倍になって、さらに楽しめるでしょう。
ここまでプーの物語について、日本語で詳しく解説されている本は他にないのでは?
構成は3部で出来ていて、第1部はプーの生みの親、A.A.ミトンについて書かれています。第2部では、“Winnie-the-Pooh” について、第3部で “House at Pooh Corner” について詳しく解説しています。
英語の解説だけではなく、物語の背景や登場人物の性格、イギリス文化までこと細かく、知ることができます。
プーの物語には、それほど難しい語彙が出てくるわけではありません。
ただ、語彙の細かなニュアンスやイギリス文化・習慣などを知っていないと、いまいち理解しづらい部分もあります。それをうまく補ってくれるのが、この本なのです。
この本は、もうすでにプーさんの本を英語で読んだことがある方にもおすすめです。
この本を読めばきっともう一度、英語で物語を読み直したくなるでしょう。
第1章から全ての章の解説があるので、原本と交互に読み進めていくのがおすすめです。
Audible でプーさんを聴く
Amazon の聴く読書、Audible でも “Winnie-the Pooh” を聴くことができます。
Audible は月額料金1,500円のオーディオブックサービスです。
対象の本が聴き放題、対象ではない本は30%オフで購入ができます。
まだAudible を利用したことのない人は30日間の無料体験ができるので、ぜひ試してみてください。
Audible に関する記事はこちら↓
最後に
プーさんの物語には劇的な展開はありませんが、素朴でほっこり癒されます。E.H.シェパードの挿絵も素敵ですよね。
私はディズニーのプーさんも好きですが、このクラシックなプーさんが大好きです。みなさんはどちらがお好みですか?
ぜひ英語でプーさんに挑戦してみてくださいね。
スヌーピーの記事もあります。
↓