ビートルズ『アビイ・ロード』メドレー8曲紹介と歌詞和訳【B面】

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ビートルズのアルバム『アビイ・ロード』A面を取り上げた以上は、最高傑作と言われるB面について書かないわけにはいかないので、今回は『アビイ・ロード』B面の曲紹介と歌詞の一部をご紹介します。

B面は11曲あるので、最高傑作と言われているメドレーの部分の8曲を取り上げます。

A面の曲に関する記事はこちらです。

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ビートルズ『アビイ・ロード』B面メドレー8曲紹介と歌詞和訳 

①You Never Give Me Your Money(ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー)

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B面の3曲目からメドレーが始まります。この曲はポール・マッカートニーの作品で、リード・ボーカルもポールです。

ビートルズはマネージャーだったブライアン・エプスタインが亡くなった後、自分たちの管理は自分たちですることに決め、『アップル・コア』という会社を立ち上げましたが、会社は財政難に陥ってしまいました。そのことについて書かれた曲です。

You never give me your money

You only give me your funny paper

And in the middle of negotiations

You break down

お前は、お金を僕に決してくれない

おかしな紙切れだけしかくれない

そして交渉の途中に

お前は崩れてしまう

in the middle of ~:~の半ばに ~の途中で

②Sun King(サン・キング)

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ジョン・レノン作の曲です。ここから3曲ジョンの曲が続きます。B面の1曲目となっているジョージ・ハリスン作の “Here Comes The Sun” の一部を借用した歌詞になっています。

途中からスペイン語とポルトガル語、イタリア語がごちゃ混ぜになって意味のない歌詞に。ジョン自身も意味はないと語っています。

Here comes the sun king

Here comes the sun king

Everybody’s laughing

Everybody’s happy

Here comes the sun king

太陽の王がやってくる

太陽の王がやってくる

みんな笑っている

みんな幸せなんだ

太陽の王がやってくる

③Mean Mr. Mustard(ミーン・ミスター・マスタード)

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ジョン・レノン作の曲で、インドに滞在していた時に作られた曲です。

マスタードという名のホームレスについて書いています。これはジョンが読んだ新聞の記事から発想されたもので、実在のモデルがいます。モデルとなった人物は当時65歳のスコットランド人の男性です。2番では、マスタードの妹パンが登場します。パンについては更に次の曲で歌われています。

タイトルの “mean” は「ケチな」「みすぼらしい」という意味です。

Mean Mr. Mustard sleeps in the park

Shaves in the dark trying to save paper

Sleeps in a hole in the road

Saving up to buy some clothes

Keeps a ten-bob note up his nose

Such a mean old man 

みすぼらしいミスター・マスタードは公園で寝るんだ

暗闇でヒゲを剃って

お金を節約しようとしている

道端の穴の中で眠っているんだ

服を買うためにお金を貯めているんだ

10シリング紙幣を鼻に詰め込んで

なんて、みすぼらしいじいさんだ

save up :貯める 貯金する

ten-bob note:ten-shilling note(10シリング紙幣)の通称(1928年から1962年に流通していた紙幣)

④Polythene Pam(ポリシーン・パン)

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ジョン・レノン作品で、前作 “Mean Mr. Mustard” の続編。

ミスター・マスタードの妹のことを歌った曲です。タイトルのポリシーン(Polythene) はイギリスでのポリエチレン(Polyethylene)の別の言い方です。実際のモデルとされる人物は2人いて、1人はビートルズのファンの女性で、彼女が実際にポリエチレンを食べていたことが由来とされています。もう1人は、ジョンの友人のガールフレンドです。

この歌をジョンはわざとリバプール訛りで歌っています。ジョンは通常はアメリカ英語の発音で歌っていました。

Well you should see Polythene Pam 

She’s so good looking

but she looks like a man

Well you should see her 

in drag dressed in her polythene bag

Yes you should see Polythene Pam

ポリシーン・パンを見た方がいいよ

彼女はとても魅力的だ

でも彼女は男みたいなんだ

君はポリシーン・パンを見た方がいい

ポリエチレン製のドレスに身を包み男装してる

うん、君はポリシーン・パンを見るべきだよ

look like~:~みたい

in drag:女装(男装)をして 

※ポリエチレン袋に入っているわけではなく、ポリエチレン製のドレスを着ていたという意味です。

⑤She Came In Through The Bathroom Window

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ここからポール・マッカートニー作の曲がラストまで続きます。この曲が『アビイ・ロード』B面に収録されているメドレー前半のラストの曲です。

この曲は、実際にポールが留守中の自宅にファンの女性に侵入された体験をもとに書いています。

She came in through the bathroom window

Protected by a silver spoon

But now she sucks her thumb and wanders 

By the banks of her own lagoon

彼女はお風呂場の窓から入ってきた

銀のさじ(富)に守られて

でも今彼女は親指をしゃぶって歩き回ってる

彼女の沼のほとりで

silver spoon:裕福な家庭 富

banks of~:~のほとり

lagoon:小さな沼 サンゴ礁湖

※イギリスでは、幼児洗礼のお食い初めに使うスプーンの材質が家柄や身分を表していました。普通の家では木のスプーン、裕福な家庭は銀のスプーンを用いていたことが由来です。

現在はヨーロッパ各地で「生まれた子が豊かで幸せに暮らせるように」と意味を込めて銀のスプーンを贈る習慣となっています。

“born with a silver in one’s mouth” (裕福な家庭に生まれる)

家に侵入してきた女性の家庭が裕福で権力もあったことから、たいした騒ぎにならなかったことが分かります。

⑥Golden Slumbers(ゴールデン・スランバー)

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ここから後半のメドレーが始まります。

この曲はポール・マッカートニーがトーマス・デッカー(Thomas Dekker)の「ゴールデン・スランバー」という詩を引用し、少し変えてつくった曲です。この曲のレコーディングにはジョン・レノンは交通事故で病院にいたため、参加していません。

Golden slumbers fill your eyes

Smiles awake you when you rise

Sleep, pretty darling, do not cry

And I will sing a lullaby

黄金の眠りが君の瞳をいっぱいにして

目が覚めた時、微笑みがよみがえる

眠って、かわいい子、泣かないで

僕が子守唄を唄ってあげる

slumber(s):眠り まどろみ

lullaby:子守唄

⑦Carry That Weight(キャリー・ザット・ウェイ)

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ポール・マッカ―トニー作の曲。レコーディングにはジョン・レノンは自身が起こした交通事故で負傷していたため、参加していません。事故から復帰した後にジョンのコーラスがオーバーダビングされています。

前半のメドレー1曲目 “You Neber Give Me Your Money” のメロディが現れ、歌詞は少し変えたものです。

ポール・マッカートニーは「この歌はビジネスの難しさと、自分たちのつくった会社『アップル』のその時の状況を歌っている。」と言い、ジョン・レノンは「自分たち全員について歌っている」と発言しています。 

Boy, you’re gonna carry that weight

Carry that weight a long time

I never give you my pillow

I only send you my invitation

And in the middle of the celebrations

I break down

ほら、この重荷を背負っていくんだ

その重荷を背負うんだ、長い時間

僕の枕は君にあげないよ

僕は君に招待状を送るだけだよ

そしてお祝いの真っ最中に

僕は崩れ落ちるんだ

⑧The End(ジ・エンド)

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『アビイ・ロード』のB面に収録された後半メドレー最後の曲。ビートルズのメンバー4人が集まって録音した最後の曲でもあります。

最後となるレコーディングの日、ジョン・レノンといつも一緒だったオノ・ヨーコがいつものように一緒にスタジオに入ろうとした時、ジョンは「今日はだめだ、1人で行く」と言い、オノ・ヨーコを入れなかったそうです。

ポール・マッカートニーは「曲の最後の言葉はシェイクスピアの思想で書いた」とコメントしています。

リンゴ・スターのドラムをはじめとし、メンバーそれぞれの楽器のソロ・パートが含まれています。リンゴはソロ演奏を嫌がりましたが、ポールが説得をして演奏に至りました。リンゴのドラム・ソロの後には、ポール、ジョージ、ジョンの順でギター・ソロが演奏されます。

Oh yeah, all right

Are you going to be in my dreams Tonight?

And in the end

The love you take

Is equal to the love you make

今夜僕の夢にきてくれるかい?

結局

君が受ける愛は

君がもたらす愛と等しいんだ

最後に

2回に分けてA面とB面の簡単な曲紹介と、歌詞の一部を紹介しました。

私は音楽にすごく詳しいわけではないのですが、単純にビートルズの多くの曲が好きです。そしてビートルズは今後50年後も、そのまた先の50年後も語り継がれる伝説のバンドだと確信しています。

いつかロンドンに行く機会があったら “Abbey Road” にも行ってみたいなぁ、と思っているところです。