英語学習者でNHKの語学ラジオ講座を活用している人は多いと思います。私もかなりお世話になっています。
番組がたくさんあるうえ、質の良い講座が多いので、あれもこれもといろいろ聞いてみたくなってしまうのですが、メインで聞く講座を1つか2つに絞って、毎日聞く習慣をつけることをおすすめします。
NHKラジオ講座に関する記事を以前にも書いていて英語学習法としておすすめをしていますが、今日は私がメインで聞く講座にしていて一押しの講座、『ラジオ英会話』について書いてみたいと思います。
もくじ
英語学習に絶対おすすめ!NHKラジオ講座『ラジオ英会話』
『ラジオ英会話』とは
NHKラジオ第2放送で放送されている英語を学べる語学番組のひとつです。
2008年4月から『ラジオ英会話』というタイトルで番組が始まりました。
担当講師に遠山顕先生が2018年3月までの10年間務めていましたが、2018年4月からは講師も内容も全て変わり、全く違う番組へと体裁が変更されました。
遠山先生の番組は、『遠山顕の英会話楽習』とタイトル、時間帯、パートナーなども少し変わり、スタイルは同じ講座として引き継がれています。
2018年4月から新しくなった『ラジオ英会話』は副題として「ハートでつかめ!英語の極意」が加えられ、従来の講座内容であった、リーディングやリスニングで英語を楽しむスタイルから、英文法や語句の感覚を学ぶ番組に変更されました。
『ラジオ英会話』の放送時間
・月曜日~金曜日
午前6:45~7:00
再放送
・月曜日~金曜日
午後0:25~0:40 午後9:45~10:00
・日曜日
午後4:30~5:45(月曜日~金曜日までの再放送)
この時間帯に聞けない、聞き逃してしまう人は、ラジオストリーミングが便利です。
1週間前の放送をNHKゴガクのWebサイトか、アプリで聞くことができます。アプリなら外で聞くこともできるのでおすすめです。

『ラジオ英会話』のレベルは?
まず、『ラジオ英会話』のレベルですが、CEFALのレベル表で見ると B1(社会生活での身近な話題について理解し、自分の意思とその理由を簡単に説明できる)です。
2019年度 NHK英語講座レベル一覧 | 英語力測定テスト2019 | NHK出版
中学校で習う英語をだいたい理解していれば大丈夫です。
特に中学英語のその先のステップに進みたい人、英文法が苦手な人、英語を話すことに特化して勉強したい人におすすめです。
『ラジオ英会話』の講師は?
講師:大西泰斗(おおにしひろと)
講師は日本の言語学者でもある大西泰斗先生です。
経歴
NHK教育テレビ(Eテレ)でも2013年から2017年まで「しごとの基礎英語」の講師役を務めていたり、多くの著書も出していて評判も高く、英語を勉強している人はご存知の方も多いと思います。
番組パートナー&テキスト共同執筆:Paul Chris McVay(ポール・クリス・マクベイ)
イギリス・プレスコット出身の言語学者で、オックスフォード大学で修士号を取得後、イギリス、スペイン、そしてオーストラリアで英語教育に携わっています。
英語の他、フランス語、スペイン語にも詳しく、現在は麗澤大学特任教授を務めています。
英語教育者のポール・クリスさんは大西先生と過去に数多くテレビ共演をしていて、共著は30冊近く出しています。
2人は20年以上も一緒に仕事をしている良きパートナーです。
番組パートナー:秋野 ろーざ
アメリカ・カリフォルニア出身のローザさんは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California, Los Angeles UCLA)を日本語専攻で卒業した後に来日。
日本でテレビやCM、ドラマなどに出演し、活躍しています。10年以上茶道を学び、他にも着付けや所作、日本髪の結い方、武道などを学んでいる日本伝統文化のエキスパートでもあります。
『ラジオ英会話』の特徴
大西先生の講座を始めて聞く人は、まずは先生のギャグ・ダジャレにとまどいを感じるかもしれません。でもその辺は、段々慣れてくるので大丈夫です。
長年の仕事のパートナーであるクリスさんとの息はもちろんぴったりで、その中にろーざさんが加わり、3人の会話を聞いているとコントのようで、3人がとてもいい関係であることが大変よく分かります。
クリスさんがイギリス出身、ろーざさんがアメリカ出身なので、番組中にイギリス英語とアメリカ英語の違いを聞くこともできます。
話すための英文法
「文法」と聞くと拒否反応を起こす人もいるかもしれません。ですが、文法を学ぶことは語学の習得に必要不可欠です。
ベースとなる文法を理解したうえで、語彙を増やしていくと英語の文章を自由に組み立てられるようになります。
大西先生は「話すための英文法」に特化している先生です。特に「文法が苦手!」「文法なんてつまらない」と思う人は騙されたと思って大西先生の講座を聞いてみてください。
特に英語は語順が重要な言語です。
『ラジオ英会話』ではこの語順を中心に英語のシステムを教えてくれます。
テキストには英文法ガイダンスが始めのページに書かれているので、講座を聞く前に確認しておきましょう。
2019年度の講座は「語感の散歩」がテーマ。ネイティブの使う語彙の感覚を掴むことができます。
テキストでは、イメージしやすくなるようにイラストを使って語句の説明をされていたりと工夫がされています。
語彙をどのように使えば良いかが、よく分かり、言葉を自然に使えるようになります。
番組の流れ
月曜日から木曜日まで
①Dialogue
月曜日から木曜日までそれぞれダイアログがあり、会話形式になっていてクリスさんとローザさんが英語で話します。
その後、1文ごと再度英語で読み、大西先生が和訳をしていきます。
②Check your grammar
ダイアログに出てくる英語表現をいくつか詳しく解説されます。ここで文法のポイントを確認します。
文法の確認をしたら、もう一度ダイアログを英語で通して聞きます。
③Build up your vocabulary
ダイアログから単語やセンテンスを抜き出して語彙の持つイメージや使い方を解説します。
ダイアログとは違う例文を使い、その語句が他にどのような場面で使われるかを
確認できます。
④Express yourself in English
学習した語彙を使って、英作文をします。
まず大西先生が日本語の文章とヒントを読むので、自分で声に出して言ってみましょう。問題は2問か3問です。
おすすめの答えをクリスさんかローザさんが読みます。
その後もう一度発音練習をするので、その時も声に出して言ってみるようにしましょう。
番組内では、大西先生が英語でクリスさんとローザさんに語彙の感覚や資質を聞く場面があります。後から大西先生が和訳するので、会話を聞き取るようにしてみると、リスニングの訓練にもなります。
金曜日
月曜日から木曜日までの復習の日です。
Listening Challenge
月曜日から木曜日までそれぞれのダイアログの内容について英語の質問と3つの選択肢が出されます。英語の質問と選択肢を聞き取って答えます。
Review
月曜日から木曜日のキーセンテンスのおさらいをします。
Practical Challenge
テキストのイラストを見ながら状況を日本語で説明するので、英文をつくることにチャレンジしてみましょう。
回答例は Simple answer (初級)と Advanced answer (上級)の2つあり、Simple answer はローザさんが、Advanced answer はクリスさんがそれぞれ回答します。
2019年度の学習予定表
4月 英単語は日本語訳では語れない
5月 前置詞のイメージの完成
6月 基本動詞の征服①
7月 基本動詞の征服②
8月 基本動詞の征服③
9月 基本動詞の征服④
10月 基本動詞の征服⑤
11月 形容詞・副詞
12月 冠詞・カウンタビリティ
1月 定型表現①
2月 定型表現②
3月 定型表現③
今は7月なので基本動詞②です。7月は基本動詞 have stay keep make take などの基本動詞を使った表現を学ぶ予定です。
4月から始まりましたが、今からでも遅くはありません。やってみようかなと少しでも思った時がチャンスです。そして始めたら、3月までは頑張って続けてみてください。きっと英語の感覚が身につきます。
大西先生からのアドバイス
大西先生は番組内でいつも「ダイアログは丸暗記してください。」と伝えています。
文法も意識的に学んでいない、ましてイメージによる単語習得もしていないネイティブスピーカーが自由に母国語を操れるのは「無数の文を覚えている」からです。どこかで耳にした、テレビで誰かが言った、本で読んだ、ありとあらゆるありふれた文。頭にストックした無数の文を適宜、多少の加工をしながら口から出す。それが会話の本質です。ありふれた文だから、誰にでもすぐに意図が伝わり反応することができるのです。文法も語彙知識も、最終的にはこのありふれた平凡のなかに溶け込んでいかなくてはなりません。
もうひとつのアドバイスは、英文は実際に口から出して練習することです。
これは必ず実践するようにしましょう。
番組テキストとおすすめの本
『ラジオ英会話』をメインとして勉強することに決めたら必ずテキストは購入しま
しょう。私はKindle版でいつも購入しています。
大西先生が使う独自の文法用語があるので、まずはテキストの初めのページに「英文法ガイダンス」があるのでよく読んでみてください。
テキストには、週ごとに Bonus Practice で復習ができるようになっているので、その週に勉強した文章を日本語から英語にできるように訓練をしましょう。
電子書籍でテキストを購入すると、金曜日のPractice Challenge の Advanced Answer のあとに Bonus Practice へのリンクがあり、週の終わりに復習がしやすくなっています。
レビューの一部
・イラストで理解が深まります。
・ 説明が理解しやすいのでオススメです。
・15分が短く感じます。
更に理解を深めるために大西先生とポール・クリス氏の共著である本を読むのもおすすめです。私も1冊持っていて、評判もかなり良いのが『一億人の英文法』です。
この本は従来の文法書というより、1冊の本として何度も繰り返し読み、からだにしみ込ませるようにしてください。必ず英語の感覚が分かるようになります。
この本を読んだうえで、更に講座を受ければ理解はより一層深まるでしょう。
レビューを見てみると★の数は平均、5つのうち4つです。
良いレビュー
・面白いし、解説が分かりやすい。
・もっとこの本に早く出会っていたかった。
・感覚的に英文法を覚えるためのとても良い本だと思いました。
・今後の英語学習の柱になってくれそうです。
悪いレビュー
・私には合わなかった。
・ある程度基本のある人から読む本。
・分かりづらかった。
良いレビューの方が圧倒的に多いのですが、悪いレビューを確認してみると、ある程度の基礎知識があったうえで読まないと、理解するのは難しいのかもしれません。
『ラジオ英会話』を特におすすめしたい人に書いたように、中学で習う基礎をひととおり理解し、その1歩先へ進みたい人にとっては良い本になると思います。
中学校で習ったことをほとんど忘れてしまって、1から英語を学びなおしたい人には向いていないかもしれません。
人により「合う」「合わない」の感覚は違うので、まずは『ラジオ英会話』の講座を聞いてみてからテキスト・文法書なり、購入するといいと思います。
他にもNHK語学ラジオ講座について書いている記事があるので、ぜひお読みください!
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