スウェーデン映画と言われても多くの人がピンとこないかもしれません。
実はスウェーデン映画には隠れた良作がたくさんあってハリウッドでリメイクされた作品もあります。
今回はおすすめのスウェーデン映画を紹介します。お気に入りの映画を見つけてスウェーデン語の学習にも役立たせましょう。
スウェーデン映画おすすめの6作品!スウェーデン語の勉強に

1、幸せなひとりぼっち
原題:En man som heter Ove
妻に先立たれ、仕事もクビ、生きていく希望が持てず人生に失望してしまった59歳のオーヴェ。
ある日自殺を試みようとしていると、お騒がせなイラン出身のパルヴァネ―一家が引っ越してきて失敗に終わります。
何かと問題を持ち込んでくる一家に最初はうんざりするオーヴェでしたが、少しずつ心を開き始めるようになります。
オーヴェは偏屈で口が悪くいつも罵声をあげていますが、本当は困った人を放っておけない愛情深い人で、どんなに口が悪くても実は周りからも頼られる存在。
オーヴェの人生が母の死から始まり、父の死、そして壮絶な経験をした後での、奥さんとの出会い、結婚、2人の幸せだった生活が語られていきます。
心が温かくなる作品で、第89回アカデミー賞で外国語映画賞にノミネート、ハリウッドではトム・ハンクス主演でリメイクされました。
スウェーデン語を聞くことはもちろん、スウェーデンでの暮らしぶりも見ることができる作品です。
2、フレンチアルプスで起きたこと
原題:Turist
フランチアルプスへスキーリゾートに訪れたスウェーデン人一家。
家族4人でホテルのレストランで昼食をしていると、目の前で大きな雪崩が発生。
実はこの雪崩は人為的に起こしたもので大惨事にはならなかったものの、その時の父トマスのとった行動に妻は不信を抱き、2人の関係が変わってきます。
人間は追い詰められた危機状態の時に本性が現れることに着目を置かれた作品。
笑えるけど、自分が夫の立場だったら?と考えると他人事ではなく笑ってはいられないかもしれません。
家族内の日常会話は、スウェーデン語の勉強にも役立ちます。
3、ストックホルムでワルツを
原題:Monica Z
スウェーデンの世界的ジャズシンガー、モニカ・ゼタールンドの半生を映画化。
スウェーデンの田舎町で両親と5歳の娘と暮らすモニカは、電話の交換手の仕事とジャズクラブで歌手活動をかけもちして忙しい日々を送っていました。
ある日ひとりの評論家から、ニューヨークのステージで歌えるチャンスを与えられるも、ライブは失敗に終わってしまいます。
モニカは自分にしか歌えない歌を歌うため、英語でなくスウェーデン語でジャズを歌うことを思いつきます。
ジャズの名曲の数々はもちろん、60年代のインテリアやファッションも楽しめる作品です。
4、さよなら人類
原題:En duva satt på en gren och funderade på tillvaron
スウェーデンの巨匠、ロイ・アンダーソン監督の作品で、2014年、第71回ベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子症を受賞。
面白グッズを売り歩く冴えないセールスマンのサムとヨナタンは、行く先々で人々のさまざまな人生を目撃する。
ワインを開けようとして心臓発作を起こした夫に気付かない妻。
宝石が詰まったバッグを死んでも離さない老女。
ブラックでシュールなエピソード全39シーンを固定カメラ、1シーン1カットで撮影、4年の歳月をかけて完成させました。
好き嫌いは分かれるかもしれませんが、ハマる人はこの独特な世界観にハマってしまうはずです。
5、ぼくのエリ 200歳の少女
原題:Låt den rätte komma in
ストックホルム郊外に住む12歳のオスカーは、母子家庭で父親はアルコール依存症、学校ではいじめられていてどこにも居場所のない少年です。
ある日、隣の部屋に親子連れが越してきて、ミステリアスな雰囲気の少女エリと出会い恋をします。
2人はいつでも話せるためにモールス信号で会話をするように。
エリには実はある秘密があり、オスカーはエリの正体に気付いていきます。
原題は「正しき物を招き入れよ」という意味です。
静かな雰囲気で北欧の美しい映像が、冷酷な物語を際立たせています。
6、サーミの血
原題:Sameblod
サーミとはスウェーデン北部の山間部に位置する地域で、トナカイとともに遊牧民族として暮らす人々です。実は1930年代、サーミ人は差別的な扱いを受けていました。
サーミ語を禁止された寄宿学校に通う少女エレ・マリャは成績優秀で進学を望んでいましたが、教師には「あなたたちの脳は文明に適応できない」と告げられてしまいます。
ある日、エレはスウェーデン人のふりをして夏祭りに忍び込み、少年ニクラスと出会い恋に落ちます。
サーミの暮らしから抜け出したいと考えていたエレは、ニクラスを頼って街を抜け出します。
監督のアマンダ・シェ―ネルはサーミ人の血を引いていて、主演のレーネ=セシリア・スパルロクも実際にトナカイを飼い暮らすサーミ人で、エレのサーミ人としてのアイディンティティと心の葛藤、そして強い意志をリアルに演じています。
最後に
以上、おすすめのスウェーデン映画の6作品でした。
映画をたくさん観てスウェーデンの独特な世界観に浸りながら、スウェーデン語もたくさん聴きましょう。