おすすめのTED『先延ばし魔の頭の中はどうなっているのか』 

他にやることがたくさんあるからという理由をつけて、英語学習をどんどん先延ばしにしていませんか?

今回は、”Inside the mind of a master procrastinator”

日本語タイトル『先延ばし魔の頭の中はどうなっているか』

2016年のティム・アーバン(Tim Urban)によるTEDプレゼンテーションをご紹介します。

やらなきゃいけないことは頭で分かっているのに、いつも先延ばしにしてしまう人はぜひ参考にしてみてください。


Inside the mind of a master procrastinator | Tim Urban

トランスクリプトはこちらで確認できます。→Tim Urban: Inside the mind of a master procrastinator | TED Talk Subtitles and Transcript | TED

 Inside the mind of a master procrastinator 「先延ばし魔の頭の中はどうなっているのか」

 先延ばしにする人としない人の脳の違い

ティムのプレゼンによると、先延ばし魔の脳内には、『すぐにご褒美がほしいサル』(Instant gratification monkey)が住んでいます。

『理性的意思決定者』(rational decition maker)が生産性を高めるための理性的決断をしようとすると、そのサルは邪魔をします。

そして『意思決定』の舵を横取りして、Wikipedia の記事を読み始めたり、10分前に見たばかりの冷蔵庫を見に行ったり、YouTubeスパイラルにはまったりします。

そして、もう今日は仕事をする時間はありません。

“All of that’s going to take a while, so we’re not going to really have room on the schedule for any work today. Sorry!”

(悪いけど、今日はもう仕事を入れる余裕なんてないね!)

f:id:daozi:20190618114148j:plain

サルや犬にとっては、Easy and Fan 『ラクで楽しいことだけ』して生きていられれば大成功の人生です。

人間である『理性的意思決定者』は未来を想像し、長期的計画を立てられます。

そして自分のために今するべきことをしようとします。

ラクで楽しいことをするべきの時もあります。

食事の時間や眠る時間、余韻の時間は両者の意見は一致しますが、難しくてあまり楽しくないことをするのが必要な時に対立が起こります。

重要語句

procrastinate :ひき延ばす 先延ばす
gratification:満足させる(する)こと 喜ばせる(せられる)こと 満足感 喜び ほうび
rational:理性の 理性的な
room:余裕 空き 空間 場所

『暗黒の遊び場』への誘い

f:id:daozi:20190618145803j:plain

先延ばし屋は、この対立に負けて『暗黒の遊び場』(The Dark Playground)へ行ってしまいます。ラクで楽しい Easy and Fan のゾーンです。

「今は遊ぶ時ではない」と心の中では分かっていながらここにいます。

The fun you have in the Dark Playground isn’t actually fun, because it’s completely unearned, and the air is filled with guilt, dread, anxiety, self-hatred — all of those good procrastinator feelings.

(暗黒の遊び場での楽しみは実際に楽しくありません。それは得るべきではない楽しみで、罪悪感、恐れ、不安、自己嫌悪といったおなじみの先延ばしの感覚に満ちています。)

重要語句

unearned :受けるに値しない 不当な

fill:…をいっぱいに占める …にあふれる …を満たす 充満する

パニック・モンスターの出現

f:id:daozi:20190618145406j:plain

パニック・モンスターは、締め切りが迫ってきたり、面目を失いそう、職業上の危機などの切羽詰まった時に現れます。

パニック・モンスターが現れると、サルは恐れて逃げていきます。

そしてやっと『理性的意思決定者』が舵を取り、やるべき課題に取り掛かります。

And this entire situation, with the three characters — this is the procrastinator’s system. It’s not pretty, but in the end, it works.

(これが3人の登場人物のいる状況、先延ばし屋のシステムです。きれいなものではありませんが最終的には機能します。)

パニック・モンスターが現れない先延ばし

先延ばしには2種類あります。

ひとつは、締め切りがあるもの

もうひとつは、締め切りがないものです。

締め切りがあるものはギリギリのところでパニック・モンスターが現れ、締め切りに間に合わせます。

問題は締め切りがない場合です。

締め切りがない状況ではパニック・モンスターは現れず、目覚めることができません。

And it’s this long-term kind of procrastination that’s much less visible and much less talked about than the funnier, short-term deadline-based kind. It’s usually suffered quietly and privately. And it can be the source of a huge amount of long-term unhappiness, and regrets.

(そのような長期的な類の先延ばしは、滑稽で短期的な締め切りのある先延ばしに比べ、目につきにくく、語られることもありません。

通常、ひとり静かに苛まれることになり、長期的で大きな不幸や後悔の源になり得ます。)

重要語句

suffere:…を耐え忍ぶ 苦しむ 悩む

source:源 原因

みんな先延ばし屋である

たくさんのメールをもらって、先延ばし屋でない人はいないということが分かりました。人により度合の差はありますが。

and some of you may have a healthy relationship with deadlines, but remember: the Monkey’s sneakiest trick is when the deadline’s aren’t there.

(締め切りと健全な関係をたもてているかもしれません。でもおサルの問題が一番嫌らしいのは締め切りがないときだということに気を付けてください。)

We need to stay aware of the Instant Gratification Monkey.

(すぐにご褒美がほしいおサルのことを意識している必要があります。)

重要語句

sneaky:卑劣な 陰険な

stay aware of …:…を常に頭に入れておく(意識しておく)

最後に

以上、ティム・アーバン氏による「先送り魔の頭はどうなっているのか」のプレゼンテーション要訳でした。

『暗黒の遊び場』に行ってしまいそうになったら『すぐにご褒美が欲しいサル』の存在を意識するようにしましょう。

「私は、先延ばしになんてしない!」という人でも、何かひとつくらいは先延ばしにしていることってあるのではないでしょうか。そこに気付く事がとても重要です。

私は比較的、先延ばしにはしない方ですが、考えてみると最近は「歯のクリーニングの予約」を先延ばしにしています。

1ヵ月前から予約しようと思っていたのですが。これも締め切りがない長期的になりやすい先延ばしです。

他にも部屋の片付けや掃除は、先延ばしにしてしまいがちです。

ティム・アーバンさんは人気ブロガーでWait But Why というタイトルのブログを書いています。Wait But Why

ティムさんの文章はとても長くて読むのは大変ですが、今回のプレゼンでも登場した彼の書くイラスト付きで見られます。