海外で日本語のまま使われている言葉は意外と多いです。
特に日本食は人気が高く、食べ物に関する「Sushi」「Sashimi」「Tempura」
「Wasabi」「Edamame」などは、海外でも分かる人が多いでしょう。
今回は特に日本社会や文化の背景が見える、ポジティブな言葉を3つ選びました。

もくじ
海外でそのまま通じる3つの日本語
1、KAIZEN
Masaaki Imai Definition of KAIZEN
「KAIZEN」はトヨタ自動車の生産方式の考え方のひとつで、日本の製造業が海外に進出する際に現地で「KAIZEN」の考え方を指導することで世界でも有名になった言葉です。
主に製造業の生産現場での作業の見直しを指して使われています。
無駄をなくし、費用をなるべくかけずに、皆で動いてカイゼンする。
改善を英語で訳す時は「continuing improvement」が使われています。
しかし「continuing improvement」では完全に意味が一致する訳ではありません。
トヨタ生産方式の改善の「お金をかけずに、皆で考えて動き、良くする。」という意味を持たすため、そのまま「KAIZEN」という言葉を使うようになりました。
動画で理論家、経営コンサルトの今井マサキ氏はホワイトボードにkaizenの漢字を書き、改=change 善=better と分かりやすく説明しています。
「KAIZEN」は生産現場に限らず、全ての仕事場で有効な方法です。日常生活のカイゼンにも取り入れることができます。
KAIZENプロジェクトは、everyday 毎日 everyone 全ての人 everywhere どこでも 可能です。
トヨタ生産方式の生みの親である大野耐一氏の執筆した本はこちらです。
2、MOTTAINAI
環境保護活動家ワンガリ・マータイは、日本で学んで感銘を受けた言葉「もったいない」を世界に広める活動をしました。
I hope the mottainai concept will spread to the world.
私はこの「もったいない」の概念が世界に広まることを期待しています。
– 浜島書店 Catch a Wave
「MOTTAINAI」は環境保護のコンセプトである3Rをひとことで表した言葉であるとマータイさんは話しています。
3Rとは
・Reduce(削減)
・Reuse(再利用)
・Recycle(再生利用)
この3つの頭文字からとったものです。
そしてMOTTAINAIキャンペーンでは、Respect(尊敬)が加わり4Rに。
頭文字には入っていないですが重要な言葉
Gratitude(感謝の気持ち)
当たり前のことに感謝する気持ちも忘れてはならないことをワンガリ・マータイさんはインタビューで話しています。
故郷ケニアでの部族差別や女性差別、投獄、留学先アメリカでの人種差別も乗り越え、自分の意思にまっすぐ、力強く生きたワンガリ・マータイさんの半生を書いた自伝はこちらです。翻訳は彼女とも交流のあった小池百合子氏。
英語の勉強に翻訳なしの原文もおすすめです。マータイさんは難しい用語を使わず、比較的分かりやすい英語を使うので、読みやすいと思います。
Unbowed: A Memoir (English Edition)
3、IKIGAI
もともと「IKIGAI」という言葉が欧米で最初に知られるようになったのは、研究者であり作家のアメリカ人ダン・ベットナー氏が日本の沖縄の長寿の秘訣として「IKIGAI」という言葉を使ったことがきっかけです。
ダン・ベットナーさんのTED の動画があります。
ベットナーさんは満腹の20%手前で食事をやめる「腹八分目」もそのまま「hara hachi bu diet」と表現しています。
「IKIGAI」については「人生全てを含める言葉」として使い、「the reason for which you wake up in the morning (翌日目覚める理由)」としてIkigaiの解説をします。
その後2016年に出版された本「IKIGAI」をきっかけに、特にヨーロッパを中心に再び多く知られるようになりました。
「IKIGAI」はスペイン人のエクトル・ガルシア氏とフランセスク・ミラージェス氏が、沖縄に行って年齢を重ねても楽しく幸せに生きる人たちから実際にインタビューをして執筆した本です。
こちらが英語で書かれた本
Ikigai: The Japanese secret to a long and happy life
日本語に訳されたものはこちらです。
最後に
今回紹介した3つの言葉は全て英語に訳してもなんだかしっくりこない、日本語でそのまま使うことが正にぴったり意味と当てはまる言葉です。
日本独特の文化や概念から英語に訳さないでそのまま使う言葉はたくさんあります。
海外で使われる日本語を聞いて、改めて日本語の奥深さと多様性を感じます。
これからも世界に誇れる日本語が増えるといいですね。