日本人の私たちにとって第一外国語は、ほとんどの場合が英語になりますね。第二外国語とは、英語の他に学ぶ2つ目の外国語のことを指します。
日本では英語科目が、2020年に小学校3年生から導入されました。
さらに大学に進学すると第二外国語が必修になり、英語以外の言語を学ぶ機会が与えられます。
私の場合は短期大学に通っていたのがもう約20年前のこととなるのですが、第二外国語の言語として、中国語の授業を取っていました。
でもその時に勉強した中国語は正直言って、全く覚えていません。私は勉強好きではなかったし、熱心な生徒とは言えませんでした。(今は後悔の気持ちでいっぱいです。)
語学に興味を持つようになったのは、学生生活を終え、10年経った30歳の頃でした。
はじめはフランス語から始まったのですが、他にもNHKの語学講座を複数聞いたり、言語学の本を読みあさったりしています。
私のように大人になってから語学に興味を持った人もけっこう多いのではなでしょうか。
自分の今まで知らなかった言語を知ることは、新たな世界が広がっていくような感じがしてワクワクします。
今回は、大人になってから学ぶおすすめの第二外国語をご紹介します。あくまでも個人的な意見ですが、ぜひ参考にしてみてください!
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大人のための第二外国語 おすすめの言語は?
スペイン語
世界のスペイン語話者数は4億人以上で、中国語・英語に次いで話者数の上位に入ります。
スペイン語が話されている国は、スペイン、メキシコ、コロンビア、アルゼンチン、米国など、公用語として約20ヵ国の国で話されています。
さらにスペイン語は、国際連合の公用語のひとつです。
何と言っても、スペイン語は日本人にとって勉強しやすい言語なのです。
その理由のひとつは発音にあります。英語の発音に苦労している人は多いのではないでしょうか。
スペイン語の母音は「a,i,u,e,o(ア、イ、ウ、エ、オ)」の5つなので日本語と同じです。少しのルールを覚えておけば、基本的にローマ字読みができるので、私たち日本人にも発音しやすく、簡単に読むことができます。
さらに英語と違い、文章の語順も自由度が高く、主語を省略していい点なんかも、日本語と同じで親近感が湧きます。
難しいのは “perro”(犬)のような “rr” の部分の巻き舌の発音です。これはなかなか、少し練習したくらいでは言えるようにはなりません。
巻き舌で言えなくても、文中からネイティブは理解してくれますが、やっぱり言えるようになるのが理想ですよね!(私は言えませんが)
他の言語でも言えることですが、ネイティブの会話は基本的に速くて、聞き取るのは難しいです。
スペイン語話者と言えば・・・
- Penélope Cruz / ペネロペ・クルス(俳優)
- Javier Bardem / ハビエル・バルデム(俳優)
- Rafael Nadal / ラファエル・ナダル(テニス選手)
- Pablo Picasso / パブロ・ピカソ(画家)
- Salvador Dali / サルバドール・ダリ(画家)
- Antoni Gaudi / アントニ・ガウディ(建築家)
スペイン語を勉強したら・・・
ガウディの建造物を見に、バルセロナへ訪れるのはどうでしょう。
海沿いのレストランで大きなパエリアとタパスをワイン片手に楽しめたら最高ですね。
スペイン南部を訪れてフラメンコ鑑賞もしたいです。
スペイン語を勉強して『ドンキ・ホーテ』を原文で読むのも憧れますね。
フランス語
フランス語の主要話者は約数1億3000万人、総話者数は2億人以上。
話されている国・地域は、フランス、モナコ、ベルギー、スイス、カナダ、ハイチ、コンゴ共和国など29ヵ国あり、約80ヵ国の英語に次いで2番目に多い言語です。
スペイン語と同様に、国際連合、欧州連合などの公用語のひとつでもあります。
何と言っても、世界中の人々からフランス語は美しい言葉と言われています。
私は初めてのパリへの旅行で、フランス語の美しさを知り、勉強してみたことでフランス語のおもしろさを知りました。
もしフランス語を勉強することに迷っていたら、すぐにでもフランス語の世界に足を踏み入れてほしいです。必ずフランス語の魅力に取りつかれることでしょう。
発音は難しそうに聞こえますが、実は意外とそれほど難しくなく、いくつかルールを覚えてしまえば発音はしやすいです。
読み方も、基本的にスペルの通りに読めば大丈夫です。
フランス語の勉強を始めてまず最初に大変と思うのは、動詞の活用を覚えることでしょう。
ただこれは先に紹介したスペイン語や、他のヨーロッパの言葉にも共通して言えることです。
規則的な変化をするものが大半を占めますが、不規則なものも登場します。
不規則動詞は頻繁に使われる言葉が割と多いので、一気に詰め込んで覚えようとしなくても、少しずつ継続していれば自然と身に付いてくるでしょう。
覚えるにはたくさんの例文に触れて音読をすることをおすすめします。
自分の力で文章をつくってみてネイティブやフランス語の先生に添削してもらうのも必ず力がつくのでおすすめです。
また、発音は違うものの、英語と共通する言葉も多くあるので、英語が得意な方は有利になるでしょう。
フランス語話者と言えば・・・
- Catherine Deneuve / カトリーヌ・ドヌーヴ(俳優)
- Jean Reno / ジャン・レノ(俳優)
- Audrey Tautou / オドレイ・トゥトゥ(俳優)
- Zinedine Zidane / ジネディーヌ・ジダン(サッカー選手)
- Coco Chanel / ココ・シャネル(デザイナー)
- Édith Piaf / エディット・ピアフ(歌手)
フランス語を勉強したら・・・
パリを訪れて美術館巡りはいかがでしょう。歩き疲れたらカフェでひと休み。ついでにチョコレートのお店にも巡りたいです。
南フランスへ行って優雅なバカンスを過ごすのも捨てがたいですね。
名著『星の王子さま』を原文のフランス語で読んでみるのはいかがでしょう。
カラオケでエディット・ピアフの歌を披露したら、きっとみんな驚くことでしょう。
ドイツ語
ドイツ語の話者人口は、約1億3000万人。
話されている国・地域は、ドイツ、オーストリア、ルクセンブルク、スイスなどの38ヵ国です。
EU圏内での母語人口は最大で、話者人口は英語に次いで2番目に多い言語です。
ドイツ語は英語と同じインド・ヨーロッパ語族のゲルマン語派に属しているため、英語との共通点が多いのも特徴。
ただ、英語の場合は不規則な発音をするものが多いですが、ドイツ語の発音は規則的で、いくつかの例外を除き、スペル通りに読めば大丈夫です。
その点は、私たち日本人にとっても、発音がしやすい言葉と言えます。
また、ドイツ語の名詞には、男性、女性、中性の3種類があり、それによって前につく定冠詞の形が変わります。
よって、ドイツ語の言葉を覚える時は定冠詞も一緒に覚えるようにするのがおすすめ。
ドイツ語は「格変化」を覚えることも大変重要です。
格変化とは、「冠詞、名詞、代名詞、形容詞などが、格によって変わること」を言います。
英語で言えば、「私は」の “I” が「私の」では “my” になって「私に」では “me” に変化することです。
英語では変化するものは例に出した代名詞くらいですが、ドイツ語は冠詞や形容詞も格によって変化します。
最初は大変に思うかもしれませんが、基本パターンがあるので、少しずつ覚えていけば大丈夫です。
それと、日本語にはドイツ語由来の言葉がたくさんあります。
例えば医療に関するお馴染みの言葉、「レントゲン」「カルテ」「ワクチン」「アレルギー」「ギプス」などは全てドイツ語由来です。
ドイツ語話者と言えば・・・
- Angela Merkel / アンゲラ・メルケル(元政治家)
- Arnold Schwarzenegger / アーノルド・シュワルツェネッガー(俳優・元政治家)
- Wolfgang Amadeus Mozart / ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(音楽家)
- Ludwig van Beethoven / ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベン(音楽家)
- Albert Einstein / アルベルト・アインシュタイン(物理学者)
ドイツ語を勉強したら・・・
ドイツ語の歌曲やオペラを楽しんでみてはいかがでしょう。
シューベルトの「野ばら」やベートーヴェンの「交響曲第九番」など誰もが一度は耳にしたことがあるはず。
ウィーンにある偉大な音楽家たちの生家も訪れたいです。
ゲーテの詩集を原文で読んでたらちょっと知的でカッコいいですよね。
中国語
各方言を含み、中国語の話者数は13億人以上、第2言語としても約2億人が話すと言われています。母語話者数は世界最大の言語です。
また、国際連合において公用語のひとつでもあります。
中国語が話される国と地域は、中国をはじめ、シンガポール、マレーシア、インドネシアなどの東アジア・東南アジアで使用される言語です。
言語系統はシナ・チベット語族・シナ語派に属します。
中国語と言っても方言が数多くあり、例えば北京語と広東語、上海語は発音や語彙も異なり、さらには文法にも違いがあるため、お互いの方言を知らなければ会話はできないほどです。
標準語(共通語)は、北方話を基礎としたもので、「普通話」(Pǔtōnghuà) と呼ばれます。
中国語は漢字で表記するので、日本人にとっては勉強がしやすい言語です。特に読み書き、語彙の面で有利と言えるでしょう。
ただし日本語の漢字に似ていても、意味が違うものも多いのでその点は注意が必要です。
中国語の発音はピンインというローマ字で表記され「子音」「母音」「声調」の3つの要素から成りたっています。
「声調」は音の高さ低さを表すもので、綴りが同じでも声調が違えば意味が全く違うものになってしまうのです。
中国語がうまくなるには、まず正しい発音をマスターすることが近道です。
文法は、ヨーロッパの言語と違い、格によっての語形変化がなく、意味を理解するには語順が重要となります。基本の語順は英語と同じSVOの型です。
中国語話者と言えば・・・
- ブルース・リー / 李小龍 / Bruce Lee(俳優・武道家)
- ジャッキー・チェン / 成龍 / Jackie Chan Kong-sang(俳優・武道家)
- チャン・ツィイー / 章子怡 / Zhang Ziyi(女優)
- 孔子 / Confucious(哲学者)
- 毛沢東 / Mao Zedong, Mao Tse-Tung(政治家・思想家)
中国語を勉強したら・・・
中国には数多くの世界遺産が登録されています。中国の世界遺産巡りなんていかがでしょう。
きっと古き良き街並みや建物から多くの歴史を感じられます。
中国を鉄道で旅して周ってみるのも楽しそうですね。
韓国語
韓国語は、主に朝鮮半島で話される言語で、韓国と北朝鮮の国語になります。
話者数は8,000万人、世界では13番目に多く使われている言語です。
2021年のDuolingo※ による調査では、世界で6番目に学習者の多い言語となりました。
(Duolingo:無料の教育ウェブサイトやアプリ、有料の資格試験を提供する言語教育プラットフォーム)
ここ数年の世界での韓流ブームが影響しているのでしょう。
一般的には「韓国語」と呼びますが日本の言語学などでは「朝鮮語」と呼ばれます。
標準語は韓国のソウルで話されている言葉です。
表記にはハングル文字を使用していることが最大の特徴。
ハングルは多くの人にとって見慣れていなく読み方も知らないので、一見難しそうな印象を与えますよね。
でも規則さえ覚えてしまえば、さほど難しくありません。むしろ読みやすい文字と言えるでしょう。
そして韓国語は日本語に関係が一番近く、日本人にとって一番習得しやすい言語です。
まず基本的な語順は「SOV型」で、語順が変わっても文章はつくれるという点も日本語と共通しています。
日本語も韓国語も「私は」「私に」「私が」で、文の意味が変わってしまうので、助詞はとても大事な役割です。
また、韓国語も日本語と同様、漢字文化の影響を深く受けているため、語源が同じで日本語と共通する語彙が多くあります。
例えば「約束:약속(yagsog)」「家族:가족(gajog)」「気分:기분(ki-bun)」「無料:무료(mulyo)」「有料:유료(yulyo)」などです。
韓国語話者と言えば・・・
- イ・ビョンホン / 이병헌(俳優)
- ぺ・ヨンジュン / 배 용준(俳優)
- チェ・ジウ / 최지우(俳優)
- キム・ヨナ / 김연아(元フィギュアスケート選手)
韓国語を勉強したら・・・
韓国語ドラマで会話されている韓国語を理解できるようになれば、さらにドラマへの理解は深まりますます楽しくなりますね。
K-POPの歌詞の意味も分かればきっと楽しいでしょう。カラオケで歌えば盛りあがりそうです。
韓国旅行へ行って、今まで未知の文字だったものが読めたら、世界は瞬く間に広がるでしょう。
韓国料理もあります。焼き肉、キムチ、チヂミ、ビビンバ、本場の味をたくさん味わいたいです。
アラビア語
アラビア語はアフロ・アジア語族のセム語派に属し、主に西アジアや北アフリカのアラブ世界で話される言語です。
話者数は約2億3500万人、アラブ首長国連邦、イスラエル、イラク、イラン、エジプト、オマーンなど世界で3番目に多くの国と地域で使用されています。
また、国連の公用語のひとつでもあります。
アラビア語の特徴は何と言っても、表記にアラビア文字が使用されること。
アラビア語の勉強は、まずこのアラビア文字の習得から始まります。まずはここが第一難関です。
アラビア語は28文字からできています。
抽象的でどれも似たような文字なので慣れるまでは少し大変です。
その上、各文字が単語のどの場所にあるかで文字の形が変化します。(語頭系、語中系、語末系)
とにかくたくさん書いて覚えていくといいでしょう。
発音は日本語にない音はいくつかありますが、発音することはそれほど難しくないと言われています。
アラビア語の母音は「a、i、u」の3つしかないことも特徴のひとつです。
文章は右から左へと読んでいくことは、よく知られていますよね。
語順は「VSO型」(動詞+主語+目的語)となり、英語とも日本語の語順とも異なります。
また、ヨーロッパの言語のように定冠詞、前置詞があり、名詞と形容詞は格・性(男性・女性形)・数によって変化します。
実はアラビア語が起源の言葉は多く、例えば「コーヒー」「シロップ」「アルコール」「アルカリ」「ゼロ」「コットン」などです。
中世から近世にかけてアラビア語圏で化学分野が発展していたため、欧州が積極的に参考にしていたことが影響して、化学分野の用語が多くあります。
アラビア語話者と言えば・・・
- オマル・シャリーフ / عمر الشريف / Omar Sharif(俳優)
- ファーティン・ハママ / فاتن حمامة / Faten Hamama(俳優)
- ディーナ・アルハニ・アブドゥルアズィーズ / دينا الجهني / Deena Aljuhani Abdulaziz (サウジアラビア王女)
- オマール・ボルカン・アル・ガーラ /Omal Borkan Al Gala(モデル)
アラビア語を勉強したら・・・
アラビア語圏で最も大切なものといえば、イスラム教の聖典『コーラン(クルアーン)』。
外国語に翻訳されたものは『コーラン』とみなされないので、アラビア語で読むしかありません。
本物の『コーラン』が読めるのはアラビア語を習得した人の特権です。
他にアラビア語で書かれた名作と言えば『千夜一夜物語』、『アラビアンナイト』の名で知られている、イスラム世界における説話集をぜひ読みたいですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。どの言語もなんだかおもしろそうですね。
英語で実感している人も多いと思いますが、語学を習得することは、本当に長い道のりです。
なかなか覚えられない、会話が完璧にできない、相手の言っていることを聞き取れない、など苦しく感じることも多々あります。
でも、どの言語に限らず、学び続けていれば新しい世界を発見できるものです。
止まってしまったらそこで終わり。楽しく語学学習を続けましょう!