何か国語も話せるポリグロットは、実際にどのように勉強しているのでしょうか。
とても気になりますよね。
今回は7人のポリグロットを取り上げて、それぞれの勉強法をご紹介します。
きっと今後の学習のヒントが見つかるはずです。
ポリグロットの勉強法!7人のインフルエンサーから学ぶ
1人目、スティーブ・カウフマン
英語、フランス語、日本語、中国語、広東語、韓国語、スペイン語、スウェーデン語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ギリシア語、ポーランド語、ヘブライ語、ウクライナ語、チェコ語、スロバキア語、ロシア語、アラビア語、ペルシア語
カウフマンさんは20ヶ国語を勉強し、その中でも12ヶ国語を流暢に話せるカナダ人のポリグロットです。
カウフマンさんの勉強法の特徴は、
「たくさん聞いて読む!」
とにかく「たくさん」というのが重要。
そうすることで理解力が上がり、自然と語彙が豊富になります。
そして間違えてもいいから「人と話すこと」。失敗を恐れないことが一番大事。
ネイティブとの会話で、相手の使っている語彙を聞いてそれを真似してさらに自然な表現が身に付きます。
文法ももちろん大事ですが、必死に覚えるというよりは、その言葉のしくみを確認するという感覚でチェックするだけ。
そして語彙を忘れることは当たり前。何度も何度も繰り返した過程でやっと覚えられるようになるもの。
カウフマンさんの言葉はいつも勇気づけられ、前向きな気持ちになれます。
2人目、リディア・マホヴァ
スロバキア語、英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、ポーランド語、エスペラント語、ロシア語、スワヒリ語
TED動画で見たこともある人もいるのではないでしょうか。
リディア・マホヴァ(Lýdia Machová)さんはスロバキア出身の言語学者で、基本的に2年ごとに新しい言語を学び続けるのが彼女のスタイルです。
リディアさんは、自分のお気に入りの本やドラマを使って語学学習をします。
例えば、アメリカの大人気ドラマ『フレンズ』をドイツ語の言語に変えて見る、『ハリーポッタ―』をスペイン語で読むなど、自分の好きなものを学習の教材にします。
それは誰にとっても、語学学習を長く続けられる秘訣となるでしょう。
また、すでに自分が知っている内容のものなら、新しく学び始めた言語でも理解度が高く、入りやすいです。
リディアさんのTEDでのプレゼンテーションをまだ見ていない人は、ぜひチェックしてみてください。
マルチリンガルになりたい人におすすめのTED「新しい言語を習得する秘訣」 ⋆ 30歳から始める英語学習 Smilenotes (komichit.com)
3人目、ルカ・ランペリエロ
イタリア語、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ギリシア語、ロシア語、ハンガリー語、ポーランド語、ポルトガル語、中国語
ルカ・ランペリエロ(Luca Lampariello)さんはイタリア人の、11ヶ国語を操るポリグロットで語学コーチでもあります。
ルカさんは自分が推奨するメソッドを持っていて、BDTメソッド(Bidirectional Translation Method)というものです。
“bi-directional” は「双方向の」「2方向の」などの意味で、”Bidirectional translation” を日本語にすると、「双方向翻訳」と言えます。
名前通り翻訳することに焦点をあてているメソッドで、母国語に翻訳します。さらにその逆、つまり母国語から外国語にも翻訳をするというトレーニングです。
そして勉強している外国語と母国語の文法や語彙を比較します。双方の違いを把握することにより理解度を高められるというものです。
使う教材は自分のレベルに合っていて分かりやすいもの、そして自分の興味のあるものがベストです。
ルカさんは朝のエネルギーの一番高い時に、勉強するようにします。朝でなくても、習慣化するために同じ時間に毎日勉強することを奨めています。
モチベーションを維持することより、「規則的なルーティーンをつくって、習慣的に学習をすすめることが大切」とルカさんは言います。
4人目、ベニー・ルイス
英語、アイルランド語、スペイン語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、ポルトガル語、エスペラント語
ベニー・ルイス(Benny Lewis)は、アイルランド出身の作家でブロガーです。
ベニーさんは勉強を始めた1日目から話すという、かなり行動的な学習方法です。
まずは知っている単語をつなぎ合わせ、ネイティブと会話をし、返ってきたネイティブの返答から表現を学んでいきます。
はじめは多くの間違いをしますが、ネイティブと会話をすることによって徐々に自然な表現を習得していきます。
間違えることを全く恐れず、むしろ間違えることを楽しんで習得へとつなげます。
とにかくアウトプット重視がベニーさんのスタイルです。
ベニーさんは国から国へと渡って実際に現地の人と話す試みをします。
積極的で社交的な人でないと真似するのは難しいかもしれませんね。
今のご時世に旅することは難しいですが、今の時代、オンラインで世界中の人といつでもつながることが可能なのでアウトプットも昔と比べてしやすくなっています。
ベニーさんの積極性と心意気を見習いたいです。彼の言語学習に関する本は『Fluent in 3 months』です。
5人目、ガブリエル・ワイナー
英語、スペイン語、イタリア語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、ハンガリー語、日本語
ガブリエル・ワイナー(Gabriel Wyner)さんはアメリカ人の作家で、オペラ歌手でもあります。
ガブリエルさんは特に暗記する上で、人間の脳の仕組みをふまえて、繰り返しフラッシュカードを使って覚えることを推奨しています。
フラッシュカードは暗記の定番の方法ですが、ガブリエルさんの場合、外国語から母国語に翻訳をせず、写真などを使ってイメージで覚えるようにします。
そして文法を勉強する時には、クローズテスト(Cloze Test)を推奨しています。
みなさんは、Ankiアプリをご存知でしょうか。ガブリエルさんは自身の本で Ankiアプリを使うことを推奨していて効率的な使い方の紹介をしています。
私もAnkiアプリはずっと使っていて、単語の他、イディオムや表現を覚えることに役立てていて、言語学習に欠かせないものとなっています。
彼の言語学習に関する本は『Fluent Forever』です。日本語に翻訳された本も出版されています。
6人目、ロビン・マクファーソン
英語、スペイン語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、ポルトガル語、スウェーデン語、日本語
ロビン・マクファーソン(Robin MacPherson)さんはイングランドのポリグロットYoutuberです。
彼の勉強方法は、同時字幕もしくはトランスクリプトがあって、自分の興味のある10分程度の動画を使います。
レベルは自分に合ったものを選ぶことも大切で、できるだけ簡単な言葉が使われているものを選びます。
選んだセンテンスをノートに書き留めていくのですが、ただ書くだけではなく、言葉と言葉のコンビネーションを自分の中で理解をしながら書くのです。
それらの表現をフラッシュカード、ANKIアプリなどに記録し、繰り返し見られる設定にします。
最初に手書きで書くので2度手間のようですが、書くことに大きな意味があります。
実際に書いている時に、認知プロセスに良い影響を与えるので、1回書くことは省いてはいけません。
そして発掘した単語や表現は調べて研究すること。さらにそのコンテンツを繰り返し聞き返し、シャドーイングすることもおすすめしています。
この過程をすることで、自然な表現が身に付き、確実に言語をマスターできるようになるというものです。
ロビンさんの著書に、”How To Maintain Languages” があるので気になる方はチェックしてみてください。
7人目、リンディー・ボーツ
アフリカーンス語、英語、フランス語、スペイン語、ハンガリー語、日本語、韓国語、中国語、タガログ語、マレー語、ベトナム語
リンディ・ボーツ(Lindie Botes)さんは南アフリカ出身のデザイナーで、シンガポール在住の Youtuber です。
フルタイムで仕事をしている彼女は、勉強する時間は限られてしまうため、前もって学習計画や目標設定をしっかり立てています。
目標を設定し、常にチェックすることはモチベーションを保つことにも役立つでしょう。
ただ、計画を立てるといっても、柔軟性を持つことも大切と、リンディーさんは言っています。
強制的な学習になって、学習が嫌になってしまったら意味がないです。
計画に柔軟性を持って、その時にしたい学習をするで良し。楽しむことが大事ということです。
そして彼女はノートをとるのが大得意。日本語や韓国語、他の言語も非常に多くのノートの記録を持っています。
リンディーさんはたくさんの参考書や問題集も持っていますが、勉強するときはひとつの教科書に集中し、完了してから次に進むことをおすすめしています。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
いくつもの言語を話せるポリグロットに共通することは、皆、楽しんで学習を続けていることです。
学習方法に正解というものではないので、それぞれが自分に合った方法を自分で見つけだす必要があります。
ぜひ今回紹介したポリグロットたちのやり方をヒントに、自分の方法を見つけ出してみてくださいね!