ドイツ語と言えば、みなさんはどんなイメージを持っていますか?
「形式ばった」「重厚な」「固い」「難しそう」「カッコいい」「英語に似ている?」
このような感じでしょうか?
私のドイツ語のイメージは「重くて低い言葉」、そして「難しい!」です。
そう、ドイツ語って私にとってとても難しいです。
約5年前にウィーンへ一人旅へ行くために、ドイツ語の勉強を試みました。それからもそのドイツ語のイメージは私の中でいまだ変わらないままです。
私は普段、自分から率先して人と話すタイプではないのですが、外国語の勉強となると話は別で、話したがりになります。
ウィーンでも旅行前に習得した数少ないドイツ語を話してみたくて、カフェやソーセージの屋台でドイツ語で店員さんに話しかけてみました。
私の下手なドイツ語は、なんとかジェスチャーなども交えて通じたようなのですが、店員さんの表情がみんな怖い!堅い!怒ってる?といった感じでした。
「前に行ったスペインとはまるで違う・・・」
日本に帰国してドイツ語学習はすっかりやめてしまったのですが、ここ最近ドイツ語にまた挑戦してみたくなって、独学でドイツ語を効率よく学ぶ方法を試行錯誤しています。
ドイツ語に関して、上から言える立場ではないのですが、自分の勉強も兼ねて今回の記事をまとめました。

ドイツ語ってどんな言語?特徴は?【発音や文法についてざっくり書きます】
ドイツ語の基本情報
ドイツ語はインド・ヨーロッパ語族のゲルマン語派西ゲルマン語です。
英語も同じく、ゲルマン語派の西ゲルマン語群に属しているので、ドイツ語との共通点は多いです。
話者人口は約1億3000万人、ドイツ、オーストリア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルクなど、9ヵ国で公用語として使用されています。
ドイツ語の発音
ドイツ語は基本的にはローマ字読みで、英語のように不規則な発音ではなく、日本人にとって実は発音しやすい言語と言えます。
ドイツ語の母音
ドイツ語の母音は「a,e,i,o,u,ä,ö,ü」の8つです。
「ä,ö,ü」は見慣れないですよね。これらは「ウムラウト」言います。「ウムラウト(Umlaut)」は「変音」の意味。
ä は「アー・ウムラウト」、ö は「オー・ウムラウト」、 ü は「ウー・ウムラウト」と呼び、
それぞれ日本語の「エ」を混ぜて発音するような感じです。
ä は日本語の「エ」にほぼ近いです。「ア」を発音する感じで口を大きく開けて「エ(ー)」と発音します。(「アー」と「エー」の中間の音)
Bär【ベーア】熊 Bäcker【ベッカー】パン職人 Kälte【ケルテ】寒さ
ö は「オ」を発する時の口の形で「エ(ー)」と発音します。(「オー」と「エー」の中間の音)
Köln【ケルン】ケルン Öl【エール】油 können【ケネン】できる
ü は「ウ」を発する時の口の形で「イ(ー)」と発音します。音は「ユ」に似た感じになります。
(「ウー」と「エー」の中間の音)
München【ミュンヒェン】ミュンヘン Tür【テューア】ドア grün【グリュ―ン】緑の
長母音と短母音
母音の後ろに子音が1つの時は長母音となり、長く伸ばして発音します。
Leben【レーベン】生活 Name【ナーメ】名前 Gas【ガース】ガス
母音の後ろに子音が2つ以上続く時は短母音になり、短く発音します。
Mann【マン】男性 Bett【ベット】ベット danke【ダンケ】ありがとう
注意したい読み方
ei・・・・[アイ]
ein【アイン】1つの nein【ナイン】いいえ mein【マイン】私の
ay / ey ・・・[アイ]
Bayern【バイアーン】バイエルン Meyer【マイヤー】(人名)
ie・・・[イー]
hier【ヒーア】ここで Bier【ビーア】ビール Fieber【フィーバー】熱
au・・・[アオ]
Frau【フラオ】夫人 auf【アオフ】…の上に
eu・・・[オイ]
deutsch【ドイチュ】ドイツの、ドイツ語 neu【ノイ】新しい Freund【フロイント】友人
※ “tsch” は「チュ」と発音します
äu・・・[オイ]
Fräulein【フロイライン】 お嬢さん Gebäude【ゲボイデ】建物
ドイツ語のアクセント
ドイツ語は基本的に、第一音節で最初の母音「a,e,i,o,u,ä,ö,ü」を強く読みます。
ドイツ語の名詞
まずひとつめに、ドイツ語の名詞は文の途中であっても大文字で書くという特徴があります。
文章なら、パッと見てすぐに名詞が見分けられるのでいいですよね。
そしてドイツ語には、名詞に性があって「男性」「女性」「中性」の3つに分かれ、性によって前に付く冠詞の形が変わります。
冠詞は不定冠詞と定冠詞の2種類があり、不定冠詞は英語の “a” “an”、定冠詞は英語の “the” に相当するものです。
男性 | 女性 | 中性 | 複数 | |
不定冠詞 | ein | eine | ein | — |
定冠詞 | der | die | das | die |
もともと持っている性がある場合は、基本的にその性に従います。(例外もあります)
ein Vater(父) eine Mutter(母) ein Bruder(兄・弟) eine Schwester(姉・妹)
男性形の名詞
Schüler(生徒) Politiker (政治家) Computer(コンピューター) Hund(犬) Wein (ワイン) Bahnhof(駅)
語末が “-en” の名詞は男性名詞が多いです。
“-er” “-ler” “-ner” で終わる職業や身分も男性名詞です。
“-ling” “-ismus”
女性形の名詞
Tasche(かばん) Katze(猫) Torte(ケーキ) Musik(音楽) Milch(ミルク) Halle(ホール)
語末が “-e” の名詞は女性形に多いです。
他に “-heit” “-keit” “-schaft” “ung” で終わるものや、”-ik” “-ion” “tät” “-ur” で終わる外来語が女性名詞となります。
中性形の名詞
Mädchen(娘) Vöglein(小鳥) Bild(絵)
Buch(本) Hotel(ホテル) Experiment(実験) Studium(研究)
語末が -chen、-lein で終わる名詞は中性名詞になります。
そのため Mädchen(娘)は語末が “-chen” なので女性名詞ではなく中性名詞になる点に注意しなくてはなりません。
他に 語末が “ment” “-um” 名詞も中性名詞に多いです。
ドイツ語の語順
ドイツ語の語順は基本的に英語と同じく「S+V+O」ですが、英語よりも語順に関しては自由です。
ただひとつ重要なことは、動詞は必ず2番目にくるという点です。
動詞が2番目にあれば、文頭に主語を置かなくても自由に文章がつくれます。
Ich gehe in die Schule heute.
(私は今日学校に行きます。)
この文章の “heute(今日)” を一番前に持ってくると、”gehen(来る)” が2番目になります。
↓
Heute gehe ich in die Schule.
疑問文のつくりかた
was(何が・何を)wie(どう、何)woher(どこから)wohin(どこへ)wer(誰が)warum(なぜ)wann(いつ)
これらの疑問詞から始まる疑問文の場合、動詞を2番目に置きます。
Wie heiße du?(君は何ていう名前?)
Woher kommst du?(君はどこの出身?)
Was lernen Sie?(あなたは何を勉強していますか?)
疑問詞を使わない疑問文の時は、動詞が一番最初にきます。
Sprecht ihr Japanisch?(彼らは日本語を話しますか?)
Spielt sie Tennis?(彼女はテニスをしますか?)
Lernen Sie Deutsch?(あなたはドイツ語を勉強していますか?)
否定のつくりかた
否定文には 否定冠詞 “kein” と 否定副詞 “nicht” があります。
kein を使う否定
否定冠詞は名の通り、冠詞なので名詞の前に “kein” を置きます。
不定冠詞 (ein/eine など) がついた名詞の否定、冠詞がつかない名詞(飲み物などの数えられない名詞)の否定の時に用います。
名詞の否定は “kein” と考えればいいでしょう。
Ich habe kein Auto.(私は車をひとつも持っていない)
[肯定文→ Ich habe ein Auto.(私は車を一つ持っている)]
kein は冠詞の種類なので、性・数などにより形が変化します。(今回はあまり詳しいことは書きません。)
簡単にだけ言うと、冠詞が “ein” の名詞(男性名詞・中性名詞)には “kein” 、冠詞 “eine” がつく名詞(女性名詞)には “keine” になるということです。
要は “k” を頭につけるだけです。
nicht を使う否定
名詞の否定ではない時は、否定副詞 nicht を用います。
否定副詞 “nicht” は否定のしかたによって位置が変わります。
文の内容すべてを打ち消す否定の場合、”nicht” は原則として文末に置きます。
Er schläft nicht.(彼は眠っていない)
Morgen kommen meine Eltern nicht.(明日、私の両親は来ません)
「動詞 “sein”(英語のbe動詞) + 形容詞」の形の否定形の場合、形容詞の前に “nicht” を置きます。
Ich bin nicht müde.(私は疲れていない)
Die Konditorei ist nicht neu.(そのケーキ屋は新しくない)
Mein Deutsch ist nicht gut.(私のドイツ語は良くない)
ドイツ語の基本の言葉
おはよう:Guten Morgen.
こんにちは:Guten Tag.
こんばんは/おやすみ:Guten Abend.
やぁ!:Hallo!
じゃあね!: Tschüs!
さようなら:Auf Wiedersehen.
ありがとう/ありがとうございます:Danke. / Danke schön.
ドイツ語の教材にしたい歌曲
ベートーヴェンの「第九」はクラシック音楽に詳しくなくても、ご存知の人は多いでしょう。
日本では年末になると、各地でコンサートが行われていますね。
ベートーヴェン作曲の交響曲第9番は第4楽章で、フリードリヒ・シラーによる『歓喜によせて(An die Freude)』をもとに書き直したものが合唱で歌われます。
日本では『歓喜の歌』のタイトルで知られていますね。
実際に歌ったことのある人もいるのではないでしょうか。
ここで歌詞の一部を抜粋します。
Freude, schöer Götterfunken,
Tochter aus Elzsium,
Wir betreten feuertrunken,
Himmlische, dein Heiligtum!
【日本語訳】
歓喜よ 神々の麗しき霊感よ
天井楽園の乙女よ
我々は火のように酔いしれて
崇高なるもの(歓喜)よ、汝の聖書に入る
引用:Wikipedia
今まで聴くだけだったこの『歓喜の歌』を自分で意味を把握し、歌うことまでできたら、この曲の良さをさらに理解できるでしょうね。
最後に
いかがでしたでしょうか。
ドイツ語のことをざっくりと書いてみました。
なんとなくでも、ドイツ語がどんな言葉なのか分かっていただけたでしょうか。
私もまだまだ勉強が必要で、道は長そうです。